平成27年2月10日 

 

グランドソフトボール競技関係者 各位

 

全日本グランドソフトボール連盟

会 長  渡辺 照夫       

 

コーチャーについての確認事項(通知)

 

立春の候、皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

平素は、当連盟の活動に格別のご高配を賜りまして、誠にありがとうございます。

 さて、平成26年4月より新しいルールで競技運営を行ってまいりましたが、多方面からコーチャーの連呼に関する問い合わせや走者の安全を危惧する意見が多く寄せられています。

そこで、連盟ではこの意見について、全国の会員から意見集約を行い、平成27年1月31日のブロック委員会で、協議を行いました。

そこで得た結論については、翌日の都道府県代表者会議において公表し、その上で新しい解釈や運用について確認したところです。

以下にその内容をお知らせします。

 なお、これは平成27年4月1日から適用いたします。

 

1 経緯

(1)コーチャーの連呼について

  コーチャーの連呼の禁止については今年度から導入されたルールですが、全盲走者が危険ではないかとの意見が寄せられました。

一方で、全盲が守備をしているのを声で妨害されず良いという意見もありました。

  そこで、どのような意見があるかを全国のブロック委員を通じて意見集約

をしました。

(2) コーチャーの誘導について

   地区予選大会でコーチャーの引き込みについて話題となったことが8月の役員会等で報告されました。その席で、連盟の解釈として、ルール3-3・2(1)には、

「全盲走者・全盲打者走者に対するコーチャーの誘導は、連続した手ばたきとする。・・・・」とあり、「・・・とする」という表現から、「連続した手ばたき以外は、コーチャーはしてはいけない」と捉え、走者に対して身体接触をして誘導してはならないという解釈が提案・承認されました。

  この解釈は、8月10日に行われた長崎大会ルール確認会でも共通理解されました。

  しかしこのルール確認会は、全国障害者スポーツ大会に参加するチームのためのものであり、全国に広く知らせないままに、あるチームには伝わり、また、あるチームは伝わっていないという状況になってしまいました。

  また、11月に開催された連盟役員及びブロック委員で上記の内容について総括したところ、 コーチャーが全盲走者に触れられないのは本来のコーチャーの役割が果たせないのではないか、そもそもコーチャーズボックスに身体の一部を残せば、引き込んでも押し出しても構わないのではないかなど、様々な意見が出されました。

  そこで、改めて各ブロックにおいて意見集約を行い、その意見を基に連盟としての解釈や運用の仕方を再決定することが望ましいとの結論になりました。

 

2 コーチャーに関する確認事項(通知)

(1)コーチャーの連呼について

  コーチャーの打者走者・走者への誘導は現行ルールどおりとする。

  ただし、打者走者・走者が他のプレイヤーと衝突しそうになる場合など、危険を回避するためにやむを得ずコーチャーが発した指示については、連呼してもこれを違反とはしない。

  コーチャーは、危険を察知したときには、迷わず大きな声で指示してほしい。

(2)コーチャーの誘導について

  コーチャーが誘導の際に、打者走者・走者の身体に触れる行為については、身体の一部をコーチャーズボックス内に置いていれば、違反となしない。

  特に全盲プレイヤーに対しては、きちんとした情報提供と誘導(介助)を行ってほしい。

 

3 プレイヤーのマナー及びフェアプレイについて(連盟からのメッセージ)

(1)グランドソフトボールの選手および指導者は、スポーツマンとしての 自覚と規律をもって競技に臨んで欲しい。

(2)グランドソフトボールの選手および指導者は、常にフェアプレイを心がけ、いわゆる「ルールの隙間をつく」行為を現に慎んでほしい。

(3)グランドソフトボールの選手及び指導者、競技役員(主催者・審判員・記録員等)は、互いにその人格を尊重し、一体となってグランドソフトボール競技を発展させていきましょう。

 

お詫び

 上記の経緯にあるような大きな解釈の変更を、十分に時間を取った議論と全国的な広報をせずに行ってしまったことは、連盟の役員会に大きな責任があり、全国的な混乱を招いてしまったことを深くお詫びします。

 今後は、全国の会員のみなさんと共に十分に協議を行い、グランドソフトボールの一層の発展に努めます。

以上


 

3—3項 コーチャー (ルール抜粋)

 自チームのプレイヤーに指示・誘導するため、コーチャーズボックス内に、専任のコーチャーまたは、監督及びプレイヤー1名を置かなければならない。全盲のコーチャーを認めない。

 ただし、他のプレイヤーと区別するため、黄色の帽子等を身につけなければならない。

3—3・1

コーチャーは、インプレイ中、コーチャーズボックスを出て指示・誘導をしてはならない。

(1)コーチャーの位置する範囲は、身体の一部をコーチャーズボックスに置かなければならない。

   <ペナルティ>

    @ ボールデッドで打者アウト。走者は進塁できない。

(2)コーチャーは自チームのプレイヤー及び守備者に対する危険並びに守備妨害を回避するためにコーチャーズボックスを出ることができる。

(3)ボールデッドのときには、試合の進行等必要に応じてコーチャーズボックスを出ることができる。

3—3・2

(1)全盲走者・全盲打者走者に対するコーチャーの誘導は、連続した手ばたきとする。ただし、声による指示は認めるが、連呼してはならない。

(2)弱視走者・弱視打者走者に対する手ばたきによる誘導は認めない。ただし、声による指示は認めるが、連呼してはならない。

(3)誘導においては器具等を用いてはならない。

   <ペナルティ(1)〜(3)>

    @ ボールデッド

    A 当該プレイヤーがアウト。

 

改正解説

→現行ルールでは、声中心の誘導をすることで、きわどく守備を妨害しようというコーチャーが多く指摘されていたため改正した。

→全盲選手の誘導の在り方を「声+手ばたき」から「手ばたき」に変えた。

→連呼とは、「リー・リー・リー」「ゴー・ゴー・ゴー」「右・右」など間を空けないで言うこと。

→「1,2,3,4,5,6,7,・・・」など言葉を変えても間を空けないで言えば連呼となる。

→当然だが、誘導の際、大きな声で守備に影響を及ぼせば、連呼しなくても「守備妨害」となるので、この改正を機会にコーチャーの言葉や声による誘導の在り方を確認してほしい。 

→しかし、コーチャーの指示については制限しているわけではないので、状況に応じて打者走者・走者に対して、「右」、「ストップ」、「バック」などといった言葉で指示することは構わない。その際は連呼とならないように、日頃から練習したりチームで統一したりするなどの工夫をしてほしい

 

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