グランドソフトボールってどんな競技?

ところで、グランドソフトボールとはどんな競技なのか、ここで簡単に説明しておきましょう。

1.グランドソフトボールは視覚障害者の野球です。「転がしソフトボール」という呼ばれ方をすることもあります。使用球はハンドボールと似たようなボールです。中に鈴などは入っていません。

2.1チーム10人制です。全盲選手が4人以上いなくてはいけません。あとの6人は弱視選手です。全盲選手は、アイシェード(目隠し)をすることになっています。ですから弱視者や晴眼者でもアイシェードをすることによって全盲選手としてプレーすることも可能です。

なぜ全盲選手まで目隠しをするかというと、中には「見えているのでは?」と思われるほどすごいプレーをする選手がいるため、「見えていません」ということを示すために目隠しをすることになっています。

3.投手は全盲でなければなりません。従って捕手は手を叩くことによって投手にストライクゾーンを伝えます。言葉での指示は不可。多くの変化球と剛速球を武器に、晴眼の野球経験者でも三振してしまうようなボールを投げる投手がたくさんいます。

4.走塁も、全盲者にはランナーコーチが手を叩くことによって塁の方向を指示します。また、全盲選手がぶつかったりするのを避けるため走塁用ベースと守備用ベースが分かれています。

5.全盲選手が、ボールが動いている間に捕球すれば、ゴロであってもフライアウトと同じになります。このため例えば外野にゴロが転がっても、すぐにヒットと断定できません。安易に次の塁に進むと思わぬゲッツー(併殺)を喰らうことになります。

実はこのルールが、グランドソフトボールの奥深さのひとつでもあるわけです。高レベルの全盲選手がいるチームは、次々にヒット性のあたりをアウトにしてしまうため、勝利にグッと近づくわけです。

6.試合停止圏というエリアがあります。マウンドの半径1.5mの円内に送球されたときは試合停止(ボールデッド)となります。全盲選手がボールを持ったまま、どこに投げていいかわからず、その間に走者が走り放題になることを避けるためのルールです。

7.最後に、何より大切なのは、「静かな野球」だということです。音が頼りですから、特に全盲選手が打席に立ったときは、絶対にベンチから大きな声を出してはいけません。

ここで紹介したことは、グランドソフトボールのルールの一部にすぎません 。実際にやってみると、もっともっと奥が深く楽しい競技です。晴眼者の方も、(アイシェードをしなくても)この競技の楽しさと奥深さを味わうことができます。さらにアイシェードをすると、今度はこの競技の難しさを知ることができます。もちろん視覚障害者だけでなく、その他の障害をお持ちの方も楽しむことができます。みなさん、ふるってご参加ください!

画像ページへ戻る
グランドソフトボールの歴史のページへ
グランドソフトボール フェスティバルの写真集はこちら


ホームへ戻る

inserted by FC2 system